エクサスケール・コンピュータが世界を変える。シンギュラリティは近い。【100冊書評#005『プレシンギュラリティ』】

エクサスケール・コンピュータとは。

エクサスケール・コンピュータはエクサ(Exa)フロップス級の計算性能を持つコンピュータ。”京”の名で知られる京速計算機の100倍の性能を持つことになり、かつてとは次元の異なるレベルでの社会変革を起こすと考えられている。各国が開発を進めている。

日本では2014年に理化学研究所が開発プロフェクトを発足した。

www.aics.riken.jp

エクサスケール・コンピュータで世界はどうなる?

エクサスケール・コンピュータは世界を大きく変えると言われる。

衣食住は無料になり、人々は不労と不老を手にする。貨幣がなくなり、社会の価値観も変わる。

以下でその仕組みを簡単に説明する。

エネルギー革命

エクサスケール・コンピュータ誕生により実現可能性が大きく高まる技術

太陽光発電発電効率向上

熱電物質

人工光合成

蓄熱物質

核融合発電

レーザー核融合発電

エネルギー革命で電気代・輸送費がフリーに

発電効率向上と技術のコモディティ化による発電コスト低下により電気代がフリーに

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電気を用いた輸送手段(電車・電気自動車など)がフリーに

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化石燃料供給過多により化石燃料の価格も下落

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化石燃料を用いた移動手段もフリーに

衣食住もフリーに

説明の関係で「食」から扱うことにする。

「食」

 野菜・穀物→「植物工場」

 魚→「養殖」

 肉→「無菌室的な閉鎖空間における畜産方法」により全て工場生産

「衣」

 植物繊維→「食物工場」

 動物繊維→「閉鎖空間における畜産」

 化学繊維→供給過多となった化石資源と重油生産藻

「住」

<土地価格の下落>

・リアリティを超えるヴァーチャル・リアリティ世界の出現により職住近接・娯楽施設・交友関係といった都市機能が失われるため、都市圏以外の広大で快適な土地への移住が進む

・工場化により農耕地の約半分が宅地に転用され宅地が倍増する

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土地が有り余る

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土地価格の下落

<建物価格の下落>

資材費・設備費・人件費のうち、資材費・人件費はフリーとなる(人件費については後掲)。よって設備費が無料となれば建物価格もフリーになる。

不労の実現

自動化・ロボット技術の進歩により人間の労働時間は現在の半分以下になる。

貨幣経済の終焉

ビットコインやイーセリウムにより貨幣経済が終わる。

エクサスケール・コンピュータはいつ誕生するか

各国が2020年を目標に開発を進めている。

www.hpcwire.jp

cybozushiki.cybozu.co.jp

www.newsweekjapan.jp

絶対に後悔しない。正しい決断にあなたを導く4つの意思決定方法。【100冊書評#004】

本屋で意思決定に関連する本を10冊読んだので簡単にまとめたいと思います。

共通点

  1. 人が意思決定する際には概して陥りやすいバイアスがある

2.そのバイアスを”問い”や”フレームワーク”により意識的に回避する方法が書かれている

3.目的の明確化、網羅的な情報収集、選択と集中が重要

①6つのクローズドクエッション

実質的な問い

1.決定する必要があるか

2.選択肢はそれだけか

3.考え抜いたか

内面への問い

1.自分に正直か(真実か)

2.自分の直感に従っているか(バイアス排除)

3.自分の価値に正直か(バイアス排除)

1分間意思決定[新装版]――決断力が身につくたった1つのルール

1分間意思決定[新装版]――決断力が身につくたった1つのルール

最初に読むのにオススメ。忙しい人はこれだけでもいい。

読みやすく内容も絞られていて平易かつこの本で紹介されている意思決定マップが有用だから。関連文献は手法にフォーカスされていて、意思決定のどのフェーズで使うものなのか見えにくいものもある。その際に、活用フェーズを確認する際にこのフレームが役立つ。

②倫理的決定こそが正しい決定

A.帰結型(功利主義。ディシジョンツリーやゲーム理論などか。)

B.規範型(法律、規律に従う。中庸が重要。)

C.配慮型(黄金律。自分がして欲しいことをせよ。)

意思決定のジレンマ

意思決定のジレンマ

③システム思考

1.成果マップ

時間(過去・現在・未来)x、成果(定性・定量)yとして現状維持、対処時のグラフを描く。

2.因果関係ループ

→同(正の因果関係)

→逆(負の因果関係)

という2つの記号を用いてループを描く。

⇨打ち手

–→打ち手による影響で効果判断。

④選択のマトリクス

⑴選択のマトリクス

足切り型×一点突破型)×(加点方式×減点方式)

⑵2タイプの問題

A.解決方法確立

B.解決方法未確立

Bの問題もABに分割可

⑶2つの判断基準

A.満足解(条件を満たすが必ずしも最適ではない。)

B.最適解(複数の網羅的選択肢の最上解。)

その他参考文献

ビジネス意思決定---理論とケースで決断力を鍛える

ビジネス意思決定---理論とケースで決断力を鍛える

ケースを解くことで意思決定の練習を積むことができる。一通り意思決定に関する本を読んだ後にそれを定着させるために使う。

問題解決のためのセパレート思考

問題解決のためのセパレート思考

必要な問いか否か、目的は何かを考える際に有効。選択肢網羅と考えるフェーズでも使える。

ただし、内容はメモの書き方のコツといくつかの対立軸の提示にとどまる。

問題解決ドリル―――世界一シンプルな思考トレーニング

問題解決ドリル―――世界一シンプルな思考トレーニング

フレームの紹介とその使用例の羅列。フレームを知るだけで十分なのでさっと立ち読みするのがいい。

瞬間フレームワーク

瞬間フレームワーク

有名なフレームワークがまとまっている辞書的なもの。意思決定のフローを把握した上で、難しいと感じたフェーズの解決に使うと良い。ただし、フレームワーク辞典は他にもあるのでこの本が最適解かは不明。

成功確率を高める意思決定

成功確率を高める意思決定

決断できる人は2択で考える (星海社新書)

決断できる人は2択で考える (星海社新書)

著者の個性が強く汎用性は高くないが、無意識のうちに避けている決断に気づくことができる。

家じゃ集中できない!を解決する家カフェシステム

家で集中できないからと最近カフェに入り浸っている。しかし、一日中使おうと思うと、1店舗にとどまるわけにはいかないので3店舗くらい回ることになり、1店舗あたり300円程度の出費がある。1日で1000円が飛ぶのは辛い。それに外出が面倒に感じる時もある。

ということで、家で集中して勉強するための対策を考えた。

現状の課題と改善策

緊張感がない

→鏡を設置

つい食べてしまって作業が進まない

→キッチン部分に目隠しをつける

→メニューを決めお金を払ってから飲む・食べる

 →確実に実行するためにAir REGI導入

気が散って関係ないことを始めてしまう

→棚に目隠しをする

→ものを取りにくい場所に置く

→デスクライトしかつけない(周囲は暗いので必然的に余計なものが見えなくなる)

→机周りへのモノの持ち込み点数を制限する

今回の改善ポイント Air REGI

airregi.jp

ちょっとだけ本格的

机を使う際に飲み物か食べ物を買うことを自分に義務付けた。

ただお金を払わせるだけでは続かないので、お楽しみ要素としてAir REGIを導入。お店っぽくて楽しい。メニューを考えたり価格を考えたりするのも面白い。

便利な機能

さらに、Air REGIでは在庫が減ると通知してくれるので、常にストックしておきたいミネラルウォーター等の在庫管理にも使えて一石二鳥。

何よりもワクワク感

高音質のスピーカーや照明、椅子を変える、おしゃれなカフェメニュー、早起きを促すためにモーニングメニューを考えたりするのも良さそう。

いや、こんなことばかり考えていたら本末転倒だろうか。

まとめ

ただ目隠しする、鏡を置く等するだけでは面白味に欠くので、今回はレジシステムを導入してみた。利用客一人の仮想店舗だが、設備やメニューなど考えるのは楽しい。うまく機能するかどうか、しばらくの間観測を続けたいと思う。

個人情報がだだ漏れ?データのニューディール政策で情報の所有権を消費者に【100冊書評#003『IoTの衝撃』】

IoTの衝撃―――競合が変わる、ビジネスモデルが変わる (Harvard Business Review)

IoTの衝撃―――競合が変わる、ビジネスモデルが変わる (Harvard Business Review)

『IoTの衝撃』という本を読んだ。中でも最終章のデータのニューディールが興味深かったのでメモ。

データのニューディールとは、どのようなデータが収集されているかを可視化して、収集を認めるかどうかを本人の意思で決められるようにしようとする取り組みだ。

現状の問題点

多くの企業がIoT関連の企業を買収し、手当たり次第にデータを集めている。しかし、その現状は約款などに書かれているだけで、消費者が積極的に情報の利用に同意している訳ではない。

このように、消費者にその事実を隠した状態で情報を収集し使用している現状に著者は警鐘をならし、情報収集に対する透明性を確保するとともに、消費者に対して情報利用可否の選択権を与えるべきだとする。

また、情報の所有権を個人に対して認め、それを管理するための銀行や監査システムを設けるべきだと主張する。

特に著者が懸念するのは、各企業が持つ膨大なデータが何者かによって悪用され、死者が出るような惨事が引き起こされることだ。特に現状では多くの企業が消費者の意識的な同意によらずにデータの使用を進めている。そんな中で惨事が起きれば、企業の情報収集と管理に対する信頼は失墜し、企業は財務的にもブランド的にも大きな損害を受けるだろう。

それは一企業に対する影響に止まらず、多くの消費者が情報漏洩リスクを重く見て情報提供を拒否し、有用なデータ収集が不可能になるかもしれない。

打ち手

そのような状況を避けるために、情報収集・利用の現状を可視化し、消費者が意識的に情報の収集・利用を選択できる体制を敷くことが有効である。

情報をコントロールできるという安心感が情報提供とその活用に繋がっていくと著者は主張する。

また、情報に金銭と同様の価値を認め、その管理のための規制や情報保管のための銀行、監視システム等を導入することを提唱する。

私見

IoTやビッグデータ解析等により個人の情報が大量に収集され、その悪用が個人の生活や生命を脅かし得る現代において、その権利者確定や管理方法を考えることは必須事項である。これまでの常識を変えるような大変革には、それをコントロールする制度構築をも必然的に伴う。

加速していくIoTの動きに対応し、未然に惨事を防ぐためにも早急なシステム構築が求められる。情報の権利関係を確定し、管理する法規制を進めるべきだ。

データのニューディールに類する議論はもっともっと取り上げられ、もっともっと話題になっていいはずだ。

GPSの精度向上や交通系ICカードの導入、顔認証機能付き監視カメラ、ETC2.0等、技術の発達により、データから個人の居場所や生活パターンを特定することが容易になりつつある。

さらにSNSやLINE、メール、Googleの検索履歴、IP情報、クレジットカードやamazonの購入履歴、クラウド型ノートや日記等により個人の内面までもが赤裸々になってしまう恐ろしさをはらんでいる。

もっと消費者にその危険性を広め、未だ議論と対策が不十分な情報の権利・管理に対する問題を多くの人が認識し、対策を求めていく必要がある。

新聞を読むのが少し楽しくなるマーキング術【100冊書評#002】

これまで新聞を読んでも、表面的に情報が流れているだけで、全く理解できないしつまらなかった。

見出しを読む、リード文を読む、気になったら本文を読む、一面は全部読む、どれもやってみたけれど今ひとつだった。

しかし、この本を参考にしてマーキングしながら新聞を読むようにしたら過去の出来事と今の出来事がつながり、少しは世の中の流れが掴めるようになった。

蛍光ペン方式

定義→黄色 最新ニュース→水色 過去の出来事・背景→ピンク 問題点・マイナス面→黄緑 利点・プラス面→オレンジ

少し前の出来事と最新の出来事とを色分けすることで、過去と現在のつながりが見え、ニュースがわかりやすくなる。 また、話題になっている言葉の定義をきちんと確認することで、最低限必要な情報を得られる。

さらに、色分けを意識するということは、それぞれの情報の時期や影響を考えながら読むことにつながる。エリクソンの研究によれば、エキスパートたちは普通の人々と違って、「意図的な練習」を行っているという。単に新聞の上に並ぶ活字を追うのではなく、きちんと目標を決め、意図的に読む必要があったのだろう。

ボールペン+蛍光ペン

最近、ペンの持ち代えが面倒なのでボールペンで線を引きながら読むようになった。

定義→黄色蛍光ペン 傍線→主張、新事実 矢印付き傍線→理由、過去の事実 波線→問題点 キーワードや重要な数字→丸で囲む 重要な点→星をつける 不明点→?+一言 気になったことはメモ

読書でも同じ方法を使っているが、しっかり理解して読めている感じがして気に入っている。

ただ線を引いて読むだけで意味があるのか

どうせ忘れてしまって意味がないとかつては思っていたが、堀江貴文氏が情報は忘れてもいいからとにかく大量にインプットすることが重要だとおっしゃっていたあので、圧倒的なインプット量の確保を目指すことにした。

本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方 (SB新書)

本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方 (SB新書)

昨日から日経新聞の朝刊夕刊に加え、Newspicksと10個のキュレーションサイト、本屋での立ち読み、1日1冊の読書をしている。これまで社会に興味もなかったし、ニュースは暗い話題ばかりで面白いことなどないと思っていたが、インプットする情報の幅と量を増やすだけで自分の意見やアイディアが生まれ、人と共有したいと感じるようになった。

1日目でこれだけ効果を感じられるのはとてもレアなケースだ。とにかくインプットを増やすことに意味があることを実感している。

20年前

最近安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」がお気に入りだ。

結婚式の定番曲と言われるから明るすぎるアップテンポな曲かと思ったらそうではなかった。明るいけれど少し悲しげなメロディー、必ずしも楽しいことばかりではなかった過去を振り返るような歌詞が好きで毎日聞いている。

この曲は何かの主題歌だったのだろうかと気になって調べてみると1997年冬クールにフジテレビ系列の「月9」枠で放送されていた『バージンロード』(Virgin Road)といいうドラマの主題歌だった。平均視聴率21.4%、最高視聴率28.3%と高視聴率を記録したドラマだったらしい。2010年にはDVD-BOXも発売されている。

ドラマのオープニングには主題歌を歌った安室奈美恵本人も登場する。その登場の仕方が不自然で妙に面白かった。その頃は、そういう演出が流行っていたのだろうか。BGMも主題歌のInstrumentバージョンが多用されており、無音のシーンも比較的多い気がする。これは最近のドラマも同じかもしれないが。

このドラマは20年近く前に放送されたものだ。今と同じところも、変わったところもある。自分よりも年配の人が生きてきた時代は今とは違って、今の自分には分からない葛藤や苦労もあったのだろう。その一方で、時代は違っても共通している経験や感情もある。今の中高年も昔は若くて、今の自分もあと20年もすれば冴えない中年なのだ。そう考えると、世の中の多くの人に対して寛容になれる気がした。

各話 放送日 サブタイトル 視聴率

story1 1997年1月6日 一晩だけの婚約者…失恋、父の危篤そして妊娠… 21.3%

story2 1997年1月13日 婚約者の謎、嘘の恋のはずなのに… 20.1%

story3 1997年1月20日 実は運命の人…嘘と本気で揺れる心 19.3%

story4 1997年1月27日 子供の命の危機!突然の父親の出現 18.7%

story5 1997年2月3日 再会、衝撃のプロポーズ 18.3%

story6 1997年2月10日 嘘が発覚!愛の決断の時 20.7%

story7 1997年2月17日 新たな恋、嫉妬、裏切り 20.1%

story8 1997年2月24日 命の場所で哀しい別れ…隠された出生の秘密 21.0%

story9 1997年3月3日 傷ついた孤独な夜に衝撃の愛の告白 21.5%

story10 1997年3月10日 最後の約束…二人の涙の決意と誓い 22.8%

Final story 1997年3月17日 幻の花嫁、彼だけを想って… 28.3%

哀しみの一歩、運命の扉を開ける時

平均視聴率 21.4%

バージンロード (テレビドラマ) - Wikipedia

7話から最終回まで4話連続で視聴率が上がっており、最終回には最高視聴率を記録している。

生きる理由ってなに?代替可能な世の中でもがきながら生きる意味。

生きていることになんの意味があるのか。自分がいなくてもこの世界は何も変わらない。誰も困らない。それなのに、なぜ生きないといけないのだろうか。自殺はなぜ忌避されるのだろうか。

生きる理由、存在意義

あなたにもし、守るべき家族がいるならば生きる理由はあるだろう。

あなたにもし、成し遂げたい夢があれば生きる理由はあるだろう。

自分である必要性がない

私には生きる理由など一つもない。家計を食いつぶす人間が一人減るだけだ。社会に貢献することができるような能力もないし、そもそもこの社会を必死に維持する必要性も感じない。いつ人生が終わっても、いつ世界が滅びても一向に構わない。こんな風に考える人は少数派なのだろうか。

別に何があったわけでもない。成績はいい方でまあまあの大学に進学し、就活はうまくいきそうにないけれど、不平不満のない生活を送っている。自尊心が低いのは幼少期からで、だからといっていじめられるわけでもなく、かなり平和な人生を歩んできた。親は過保護なくらいで実家にほとんど帰らない私を見捨てずにいてくれるし、数少ない友達は私の怠惰な本性を知りながら一緒にいてくれている。人間関係にも恵まれている。

それでも、小学生の頃からずっと、この気持ちは消えない。なぜならば、それが自分である必要性がないからだ。代わりはいくらでもいるし、いなくなったところで世界は回るのだ。

明日、君がいない

私は死んでいいなら、簡単に死ねるなら今すぐにでも死にたい。コストと後遺症のリスクが高すぎるから敬遠しているだけで、生きたい理由なんて一つもないから。親には教育費を食いつぶすだけつい潰して申し訳ないと思う。友人には妙に関わったばかりに後味の悪い思いをさせて申し訳ないと思う。しかし、それはきっとその人の長くて雑多な人生のパズルのピースの一つに過ぎないだろう。

「明日、君がいない」という映画のあらすじを読んだ。多くの人の死は、「君がいない」程度に片付いてしまうものなのだ。小学生の時、3軒どなりの家の子が事故で亡くなった。仲がいいわけでもなかった。なんとも思わなかった。自分には人並みの感情がないのだと思った。同時に、自分が死んだところで世界は静かで、ほとんど人にとってはどうでもいい事件の一つなのだと思った。

世間体と迷惑

世間体が悪いから自殺だけはやめろと言われた。妙に納得した。確かに、自殺者の家族なんてレッテルを貼られるのは困るだろう。プラスにはなれなくても、マイナスにだけは、家族の重荷にだけはなりたくない。友人はまだしも、家族にとっては精神的負担以上の社会的損害を被るだろう。

だから、自殺するとしたら事故死に見える方法で自殺するか、誰にも発見されないように失踪という形をとるだろう。今の所、実現可能性の高い手法やプランは思いついていないけれど。雪山で滑落死、沖合で溺死、人気のない高速道路や山道で事故死なんかがいいだろうか。人が関わるような死に方は相手に精神的ダメージや社会的ダメージを与えそうだから避けたい。だから、電車への飛び込みや幹線道路への飛び出しや飛び降りなんかは端から選択肢から外れている。

積極的に死のうとした場合、配慮すべきことはいろいろあるし、だいぶ準備も面倒だ。

死ぬ権利がある世界

安楽死

合法的に死ねる安楽死は素晴らしいが、現在の制度上自分は安楽死適用条件を満たさない。スイスでは外国籍者でも安楽死が可能で安楽死ツアーも組まれているが、重度の疾患により耐え難い苦痛があることが条件となっている。オランダでは重度の疾患だけでなく、高齢者、精神疾患者、未成年者の安楽死も認めている。しかし、その認定基準はやはりある程度厳しく、この社会で生きていくのが息苦しいからという程度では到底認められない。その他、ベルギー、カナダ、アメリカの一部州でも安楽死を認めているが、各国一定の基準を定めている。

死にたいときに死ぬ権利を認めてくれればいいのにと思う。しかし、それが許されれば何人が大人になれるだろうか。人は誰しも一度くらいは死にたいと思うことがあるだろう。簡単に死ねる世の中になったら、何人がその権利を使うだろう。世の中の意識はどう変わるだろう。自殺防止の運動は続くのだろうか。世界人口はどのくらい減るだろう。人口増加による環境破壊や食糧問題は解決するかもしれない。人を死に追い込むことへの倫理感は変わるだろうか。簡単に人が死ぬならいじめをしようとする人は減るのだろうか。命の価値は変わるだろうか。

死にやすい世界、生き辛い世界

しかし、死ぬ権利を安易に認めれば、今度は辛くても生きていたい重度患者が生きにくい世の中になってしまうのかもしれない。重度の障害がある人は治療費にお金がかかるのにお金を生まないから死ぬのが当然だとか、社会の役に立たない犯罪常習者は死んで当然だとか、人を傷つけたのなら死んで詫びるのが当然だとか、そんな風潮が生まれたとしたら、それは嫌な世界だ。生きることが正しいとされる今の世界はある意味、弱者を受け入れ、相互扶助することを当然と考える美しい世界なのかもしれない。弱者は死ねばいいという世界は好きではない。

だとすれば、死にたい人が死ねない今の社会で自分が苦しみに耐える方がいいのかもしれない。価値観が逆転すれば、生きたい人が生きていいのか悩む時代が来るだけなのだから。今度は生きたい人が生きていいのか悩む時代が来るだけなのだから。死にたい人に対して死を許さない制度設計と集団意識は「生きること」を無条件に肯定し、「生きること」を半ば義務化している現状は悪くないのかもしれない。

まとめ

生きている意味はないが、自分が死にやすいような制度になると困る人が出てくる、それは申し訳ないから今のままでいいやという、つまらない結論になった。もっと、生きたい人にとっても、死にたい人にとっても望ましい新たな制度設計を考えていきたい。